二項検定について【応用編】|Excel(エクセル)で学ぶデータ分析ブログ

この記事では二項検定について応用例を元に紹介しています。
※二項検定の基本的な考え方は下記の記事をご覧ください。
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二項分布の基礎編ではサイコロの確率を利用して説明をしました。
ただ、実生活ではあまりサイコロを利用する機会がありませんので
もう少し違った情報を使って二項検定を紹介したいと思います。


多数決の検証

例えばとあるグループにある決議をしてもらった結果、下記のような結果となりました。

賛成 反対 合計
24
(52.2%)
22
(47.8%)
46
(100%)

賛成多数のため、多数決の原理に則ってその議案は採択されました。
しかしこの結果は1人が反対を唱えれば同数、2人が反対を唱えれば反対多数となる微妙なラインです。
果たして本当に「賛成多数」といえるのでしょうか。

統計学的に賛成多数は何人から?

binom_test_3-1

統計学的に「有意な差」で賛成多数となれば、きっと誰も文句は言いません。
賛成と反対の発生率はそれぞれ1/2ずつなので、明らかに結果が賛成に寄る(反対者が少ない)場合を考えてみます。

binom_test_3-2

C列のデータは累積確率分布といいます。
一般的にはこの値が5%以下であれば「有意な差」として評価されることが多いですが
今回は反対数が17人以下(賛成29人以上)を統計学的に賛成多数と評価してみてはいかがでしょうか。

ちなみに先ほどの結果を男女比でクロス集計してみました。

多数決の内訳
(横属性の比率)
賛成 反対 合計
男性 22
(84.6%)
4
(15.4%)
26
(100%)
女性 2
(10%)
18
(90%)
20
(100%)
合計 24
(52.2%)
22
(47.8%)
46
(100%)

男女によって賛成と反対の比率が大きく異なります。
いったい、どんな議案を採決したのでしょうか。