調査票の実施手順と作り方のコツ|良い例・悪い例の例文つきで説明

調査票の設計は、調査結果の質を左右する重要な要素です。

調査票を効果的に設計するために以下8つのステップを踏むのがおすすめです。

■目次

1.調査目的の明確化

2.サンプル数とサンプルサイズの決め方

3.設問項目の作成

4.設問形式の決定

5.設問の順番

6.調査方法の決定

7.導入部分・挨拶文の作成

8.テスト調査

はじめに、調査目的を明確にすることが重要です。 何を明らかにしたいのか、どのようなデータが必要なのかを明確にすることで、必要な質問項目や設問形式、実施対象者を検討することができます。

  • 調査の背景を明確にする
  • 調査で何を明らかにしたいのかを具体的にする
  • 調査結果をどのように活用したいのかを明確にする

目次にもどる


■サンプル数とサンプルサイズ、何が違う?

まず、サンプル数サンプルサイズの違いを明確にしておきましょう。

  • サンプル数: 複数のグループからそれぞれ標本(サンプル)を抽出した場合、そのグループの数。
  • サンプルサイズ: 1つのグループから抽出した標本の個数。

例えば、全国の都道府県からそれぞれ1000人の高校生を抽出して身長を調べるとします。

  • サンプル数: 47(都道府県の数)
  • サンプルサイズ: 1000人

【サンプルサイズを決める重要性】

適切なサンプルサイズを決めることは、調査の精度を左右する重要な要素です。サンプルサイズが小さすぎると、偶然による誤差が大きくなり、調査結果が母集団の状況を正確に反映していません。逆に、大きすぎると、コストや時間がかかってしまいます。

【サンプルサイズを決めるための要素】

サンプルサイズを決める際には、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 母集団: 調査対象となる全体の集団。
  • 信頼水準: 調査結果がどの程度の確率で正しいと言えるか。
  • 許容誤差: 調査結果と母集団の真の値との間の許容できる誤差の幅。
  • 母集団のバラつき: 母集団内のデータのばらつき具合。

【サンプルサイズを決める際の注意点】

  • 母集団の大きさ: 一般的に、母集団が大きいほど必要なサンプルサイズは小さくなります。
  • 調査の目的: 調査の目的によって、必要なサンプルサイズは異なります。
  • 費用と時間: サンプルサイズを増やすほど、費用と時間がかかります。

【サンプルサイズを決めるためのツール】

サンプルサイズを計算するためのツールやソフトウェアが多数存在します。これらのツールを利用することで、より正確なサンプルサイズを算出することができます。

【まとめ】

サンプルサイズは、調査の精度を左右する重要な要素です。適切なサンプルサイズを決めるためには、調査の目的、母集団の特性、信頼水準、許容誤差などを考慮する必要があります。

■より詳しい情報を知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。

  • 標本調査
  • サンプルサイズ計算
  • 信頼区間
  • 統計学

目次にもどる


調査目的を踏まえ、必要な質問項目を作成します。質問項目は、具体的でわかりやすく、かつ回答しやすいものであることが重要です。

そこで、アンケート入力作業の経験を活かし、こんなアンケートだったら、見やすい!わかりやすい!入力しやすい!といった作成方法を例文を使いまとめています。下記はその一覧となります。ご参考にしてください。

【設問文について】

1.設問ごとに番号を付与する

4.分かりやすく具体的な言葉にする

2.誘導や偏りのない設問にする

3.主語を入れる
【選択肢について】

1.選択数を明記する

2.「以上」や「未満」を使用する

3.数値化できるものは数値化

4.幅広く選択肢を作る

5.選択肢の字間を適切に

6.選択肢にも番号を付与

7.選択肢番号を算用数字に

8.選択肢番号の順番を揃える

9.選択肢番号をカッコ表記

10.「その他」の選択肢を追加

11.項目の尺度を均等に

12.選択の仕方に統一性を持たせる
【その他】

1.低学年児童向け

2.表形式のアンケートについて

目次にもどる


設問形式は回答率や回答精度に大きく影響します。適切な形式を選ぶことで、より質の高いデータを収集することができます。

目次にもどる


質問項目が決まったら、回答者が回答しやすいように設問の順番を検討します。一般的には、簡単な質問から難しい質問へと順序立て、関連する質問をまとめて配置するなど、論理的な流れを意識することが重要です。

【論理的な流れ】

設問は、論理的に一貫した流れになるように並べましょう。例えば、簡単な設問から難しい設問へ、具体的な設問から抽象的な設問へ、過去に関する設問から現在・未来に関する設問へといった流れが考えられます。

【回答者の心理】

設問は、回答者が答えやすい順番になるように並べましょう。例えば、最初に興味を引く設問を置いたり、後半に重要な設問を置いたりすることで、回答者の集中力を維持することができます。

【調査目的】

調査目的によって、適切な設問順は異なります。例えば、商品に関するアンケートであれば、まず商品の認知度を調査し、その後、利用状況や満足度を調査するといった流れが考えられます。

【ターゲット層】

ターゲット層によって、興味関心や理解度が異なるため、それに合わせた設問順にする必要があります。例えば、専門家向けのアンケートであれば、専門用語を使った設問を前半に置き、一般向けのアンケートであれば、わかりやすい設問を前半に置くといった流れが考えられます。

目次にもどる


アンケート調査方法は、紙媒体、Web調査、インタビュー調査など、様々な方法があります。調査目的やターゲット層、予算などを考慮して、適切な方法を選択します。

目次にもどる


調査票の冒頭には、調査の目的や趣旨を説明する導入部分と、回答者への挨拶文を作成します。簡潔でわかりやすい文章を心がけ、回答者に協力を呼びかけるようにしましょう。

【調査の目的を明確に伝える】

調査の目的を簡潔に伝え、回答者がなぜこのアンケートに回答する必要があるのかを理解できるようにしましょう。

【所要時間を伝える】

どのくらいの時間で回答できるのかを事前に伝えておくことで、空いている時間を利用して答えやすくなり、回答率の向上に繋がります。特に、Webアンケートは回答前に分量を把握しづらいので、所要時間や設問数を明記しておくことは大切です。また、質問数は20問以下、回答時間は5~10分以下に抑えることが理想です。

【回答期限を伝える】

一般的に、期限が決まっていない物事は優先順位が下がってしまい、忘れてしまうことがよくあります。回答を意識してもらえるよう、回答期限の日時を明記しましょう。

【個人情報の取り扱いを伝える】

氏名や住所など個人を特定できる情報を集める場合は、個人情報の取扱いに関する記述を設けることが重要です。これは、回答者に対して、個人情報がどのように収集・利用・管理されるのかを明示し、安心して回答してもらうためです。簡潔かつ分かりやすく記載しましょう。

目次にもどる


実際の調査前に、少人数を対象としたテスト調査を行い、質問内容や設問のわかりやすさを確認します。テスト調査の結果に基づいて、必要に応じて修正を行いましょう。

  • 調査内容の内容が分かりやすく、論理的に構成されているか
  • 質問が明確で、回答しやすい表現になっているか
  • 質問の順番に問題はないか
  • 回答形式に問題はないか
  • 調査票のデザインが見やすく、読みやすい
  • 所要時間が適切であるか
  • 回答者の負担が大きすぎないか
  • 個人情報の取り扱いに関する記述に問題はないか

目次にもどる